堀ちゃんはななみんタイプでセンター気質

──今回の新曲「バレッタ」は、どこか懐かしい雰囲気を持つ楽曲ですね。

桜井玲香　前作の「ガールズルール」は乃木坂にとってかなり挑戦的な作品だったと思うんです。センターも初めて、生駒（里奈）からまいやん（白石麻衣）に変わったし、楽曲も今までよりもアイドルらしい路線だったし。それを経て、今回の「バレッタ」は従来の乃木坂らしい個性的な楽曲なので、初期からのファンの方は喜ぶんじゃないかな。

若月佑美　今回は堀（未央奈）ちゃんも入ったことだし、いい刺激になってます。

桜井　今回の曲のようなメロディやアレンジだと上の世代の人にも親しみやすくて聴いてもらえると思うし、同時に私たちの世代にとっても新鮮で耳に残るものなんです。そこが乃木坂ならではの魅力かなって思ってます。

──2期生から唯一選抜入りした堀さんは、2人にはどう映りますか？

若月　めっちゃ不思議な子だよね。

桜井　1人でいるのが好きで、だけど話しかけたらけっこうしゃべるし。オンとオフがはっきりしてるかな。でも最近はだいぶ慣れてきたよね。最初の頃はいっぱい話しかけてあげなきゃって気にしてたんですけど、堀ちゃんの場合はそういう人でもなくて。1人で部屋の隅っこにいてオフってたり。

若月　ななみん（橋本奈々未）タイプだよね。

桜井　そうだね。社交的じゃないわけではなくて、1人で行動するのが好きみたいな。あと、意外と肝が据わってるかな。

若月　うん、それは思う。

桜井　2期生から1人だけ選抜メンバーになって、いきなり1期生の中にポーンと入れられたら、そりゃあ悩みもあると思うんです。でも本来だったら絶対に怖いはずなのに、まったくそういう素振りも見せずにマイペースに過ごしているから。センター気質なのかなって思います。

「バレッタ」PVのエンディングは「意外性を求めたのかな」

──「バレッタ」のPVはかなり挑戦的な内容ですね。

若月　観た人からはきっと賛否両論あると思うんですけど、作品としてはすごくクオリティの高いものだと思うんで。個人的には曲もPVも大好きですね。

──どういうところが気に入ってますか？

若月　不思議な内容というか、話の流れはわかるけど抽象的な表現も多いので、普通にドラマとして観る感じじゃなくて。「だって、こうするしかないじゃない」ってセリフも意味深ですしね。最後の銃声も、人によっては堀ちゃんが撃ったと解釈するかもしれないし、あるいはほかのメンバーのうちの1人が耐えられずに撃ってしまったのか、もしくは堀ちゃんが自分のことを撃ったのかと、いろんな解釈ができるし。観てる人に考えさせる場面があって面白いなって思うんです。

桜井　そういうタイプの作品が好きな人は、相当ハマるPVですよね。例えば堀ちゃんがまいやんを撃つ場面は、今後の乃木坂を暗示してるんじゃないかという解釈もあると思いますし。私は観たときにそういう解釈はしてなくて、単純に意外性を求めたのかなって思いました。

──あのエンディングは観た人によって、いろんな解釈ができるものだと思いますよ。

若月　そうですね。だから面白いんだと思いますよ。

桜井　あと、メンバーのキレイさが際立つ映像ですよね。妖艶で危うげな雰囲気の中に、セーラー服を着た女の子たちが銃を持って登場するというアンバランス感も面白いですし。

若月　そこも意外性を求めたんじゃないかな。絶対にないだろうというシチュエーションにその人がいたらどうなるのかという、化学反応を見るというか。

等身大の私たちが観られる「そんなバカな…」

──「バレッタ」のようなシリアスな作品があるかと思えば、真逆の内容といえる「そんなバカな…」もあり。

桜井・若月　きた！（笑）

──こちらはすごくコミカルで楽しい内容ですね。

若月　「そんなバカな…」は演じていてすごく楽しかったです。

──皆さん、PVの中ではかなりハジけてますしね（笑）。

若月　ハジけましたねえ（笑）。「バレッタ」と「月の大きさ」はシリアスな内容で、楽しい雰囲気の作品は「そんなバカな…」だけでしたから、殻を破るのに打ってつけというか。マネージャー役もすごかったね？

桜井　マネージャーね（笑）。私と生駒と（秋元）真夏の3人がアイドル部のマネージャー役だったんですけど、3人でがんばりましたよ。あとリップシンクのシーンではペアを組んでるんですけど、メンバー同士の絡み合いで素の表情になってたり。等身大の私たちが観られるんじゃないかと思います。

──本番中思わず笑ってしまったシーンもそのまま残されてますもんね。高山（一実）さんが「ポジピース」って言うシーンでは若月さん、堪えきれずに笑っちゃってますし（笑）。

若月　なんであのシーン、使っちゃったんでしょうね（笑）。

桜井　あのシーンは本当にいいから！ あれはカワイイよ、本当に。

若月　笑ってないカットもあったんですけどねえ（笑）。

桜井　でもあれは笑っちゃうよ。私は映ってなかったから笑っちゃいましたけど、みんなよく耐えたなって思いますもん。だいたい「ポジピース」以前に、あの絵自体が面白くて（笑）。

若月　「握手マシーン」を使って握手の練習をしてる、あのシチュエーションがね（笑）。

──アンダーメンバーによる「初恋の人を今でも」含め、今回制作された4本のPVはどれもディープで完成度の高いものになったと思いますよ。

若月　「初恋の人を今でも」もすごく切ない感じの曲で、PVの映像もすごくキレイですしね。

桜井　ファンタジーって表現がぴったりだし。私は今回、どのPVも大好きです。